秘密のキスをしたとしても。



耳を塞いでいたのでお兄ちゃんの声が聞こえなく、え?、と聞き返しながら耳から手を外した。


その瞬間、凄まじい雷音が家全体に響いた。


「ひゃあ!」


あまりの衝撃に私はお兄ちゃんに飛びついてしまった。


お兄ちゃんもビックリして小さく声を漏らす。


「大丈夫か?」


飛びついた私をゆっくり引き剥がし、私の目を見ながらお兄ちゃんは静かに私に聞く。


衝撃すぎて言葉も何もでなく、ただ頷くしか出来ない私。


「…雷か。花、昔から雷苦手だったもんな。…なら今日は早く寝な」


「…ん」


私の震える体を支えながらお兄ちゃんは優しい声でそう言った。