「うん…」 「その様子じゃ、何も覚えてないの?」 「うん…」 私の返事に、お母さんはふぅ、とため息を付いて食事を置き口を開いた。 「あんた、登山中熱出して倒れたのよ。熱プラス軽い日射病。亜美ちゃんがお兄ちゃん着くまで看病してくれてたのよ、あんな暑い中」 「亜美が…」 倒れてしまった状況を知って、亜美に感謝しながらある事が引っかかった。 …お兄ちゃん?? 「なんでそこにお兄ちゃんが出てくるの?」 部屋を出る為、ドアノブに手を延ばしているお母さんにベッドから身を乗り出して聞く。