「…何年生ですか?」
美味しそうにジャムパンを食べている男の人に質問をする。
頬に詰め込んだジャムパンを喉に流し込み『一年』と静かに答えた。
…あ、私と同じ学年じゃん。
同じ学年と知って、敬語をやめて他の質問を始めた。
「私と同じ学年だね。何組?」
「エフ」
「Fかぁ。私、B組だから遠いね。名前は?」
次々と質問をする私に、男の人は横目で私を睨む。
「何、刑事ごっこ?まぁ、パンもらったし付き合ってやるよ。俺は遠山 比陰。比喩の比に陰って書くんだ、名前」
私の“刑事ごっこ”に真剣に付き合ってくれてるのか、丁寧に自分の事を教えてくれる。
とおやま…ひかげ…くん。
珍しい名前に心の中でリピートしてしまう。


