私の名前を聞くと、立ち上がり、私の目の前へ来た。 近くで見れば見るほど整った顔。 男の人をかっこいいと思ったのはお兄ちゃん以来だ。 「頂戴」 「え?」 男の人が何か呟いた瞬間、私の手からジャムパンが消えていた。 ポカン、と呆気を取られてると、フェンスに寄っ掛かりながらジャムパンを頬張っている男の人が居る。 …いつのまに。本当、猫みたい。 なんて思いながらため息をつき、男の人の隣にしゃがみ込んだ。