やっぱり──。
私は三年校舎に続く廊下を階段を上りながら見上げた。
…お兄ちゃんは凄く女子からモテているんだ…。いや、女子からだけじゃなく、男子からも慕われている筈。
昔からお兄ちゃんはモテていて、告白される事はしょっちゅうだった。
よく、その告白現場を目にしていたが、誰一人お兄ちゃんと付き合えた人は居なかったんだ。
お兄ちゃんは辛そうな顔をしながら告白を断っていたから──。
でもそれは中学までの話し。
今は高校生になって周りの女子達はお兄ちゃんに好意を持ってもらおうと必死なんだ。
ただ告白しただけだと玉砕してしまうから。
──私にしたらその玉砕も羨ましい限りなんだけどね。
お兄ちゃんに気持ちを面と向かって言えているんだから──。


