優しいなんて、もんじゃない




なんだ、と勢い良く見上げれば相変わらず顔は見せたくないらしいユウ。

ちゃんと間隔を保っている。



……ユウ、教えてやろうか。

私は、確かにアンタが嫌いじゃないけど。アンタの、全部を見せないくせに近寄ってくるとこ、そこは大嫌いだ。


そういう、狡い人間、ほんと大嫌い。




「ひ弱とか面倒ってもしかして俺のことだったりするの!?」

「もしかしなくてもアンタ以外誰がいるわけ。」

「ひ弱って……。ねえ、優。」

「……、」



何、と直ぐに返答をすることが出来なかった。


だって、いきなりユウが聞いたこともないような真剣で、でも多少呆れたような声で私を呼ぶから。

柄にもなく、胸がドキリと跳ねた。




目が、見えない。

それが怖い。


…怖い?

いや、違う。間違えた。



狡い、狡いんだ。


見せてよ、ユウ、アンタの帽子とサングラス取ったその先を――――――――…




「(なんて。)」


口が裂けても言わないけどね。