優しいなんて、もんじゃない




翌日も、その翌日も、そのまた翌日も。

ユウはバーには現れなかった。他の所には現れたというわけでもないのだけれど。



「ユウくん、来ないねー。」

「……、」



弥生さんがつまらないとぼやく声を右から左に流しながら、私はせっせとカウンターテーブルを拭く。



今日も大学終わりに弥生さんに拉致られて早めの出勤だ。これもいとこだから許される。


「優、何か面白いことやってみ?」

「無茶振り反対。」

「アンタなら出来る。」

「うざい。」



弥生さんがユウが来なくてつまらないと言う理由は謎だけど、だからと言って私に絡まないでほしい。


コイツは駄目だなと言うように溜め息を吐かれたが、それはこちらの台詞だし溜め息吐きたいのもこっちだ。





「(…ユウの、阿呆。)」


アイツが来てれば、アイツがいれば、全て丸く収まると言うのに。