罰当たりな奴めと盛大に舌打ちした私は、腹が立ったから目についたティッシュボックスをユウに向かって投げた。
これにはさすがにユウもビックリした様子で。
「うお!」と気色悪い声を出して、当たっとけば私の気も済むかもしれないと言うのに。
あろうことか、受け止めやがった。
「ちょ、優。」
「うざい。」
「いきなりすぎると俺も傷付くよ?」
こう見えてナイーブなんだからと言った傍から嬉しそうに笑うユウ。どこがナイーブなんだよおい。お前ただのドMだろ。
冷めた視線を送っていれば、ユウは弥生さんからグラスを受け取り美味しそうに一口喉に流した。
「ユウってさ、カシスしかのまないよね。」
ふと。思ったことを口にしてみる。
「んー…、まあ、ね。」
「(え、何コイツ照れてんの。)」
ユウはどうしたというのか、少し頬を赤らめる。やばいな、物騒なもの見ちゃった。