「何だよ、軽音部って」
「え、知らなかった?最近できたんだってさ。どうせ、ただバンドに憧れてるだけの素人集団だろうけど」
「そうか、まあ当たってみるよ。ありがとな葉山」
礼を言うと、葉山は周りを見回してオレに耳打ちしてきた。
「気を付けなよ、望月。軽音部の女子、望月達狙いっぽいから。良いように利用されないようにね」
と言った。
オレは、頷いてその場を後にした。
…オレら狙い?
よく分からねえけど、とりあえず海斗と純希に相談してから軽音部にスカウト行くか。
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放課後の音楽室。
今日も、オレ達は練習のために集まった。
「なあ、軽音部って知ってるか?」
オレは集まって早速、2人に話を持ちかけた。
「軽音部~?そんなんあったっけか」
「オレも知らないな」
純希も海斗も、やっぱり知らないみたいだ。
「最近できたみたいなんだよな。葉山から聞いたんだけどさ」
「へえ。で、その軽音部がどうしたの空?」
海斗が自分のベースとアンプを用意しながら、不思議そうに聞いてくる。
「ああ、それでさ。その軽音部にも声かけてみようかなと」
「「・・・」」
・・・・・・。
オレがそういうと、一瞬で会話が途切れた。
「マジで言ってる?空ちん」
