望月くんは、チョークをかたんと置くと
何食わぬ顔で席に戻ってきた。
・・・・凄い。
見かけによらず、本当に頭がいいんだなあ
「教科書、サンキュな」
歯を見せて、ニカっと笑う望月くん。
・・・こんな可愛い顔、するんだ。
ちょっと意外。
「望月くん、宿題やってたんだ」
「宿題?やってねえよ、そんなん」
え?
やってなくて、あれ解けるの?
「え、でも!あの難しい問題さらさら解いてたし・・・」
「あんなん、やってなくてもすぐ解けるし。らくしょー」
望月くんは、ピースを作ってみせた。
「す、凄いね・・・!超頭良いね・・・!」
「姫は?頭良いんじゃないの?」
いやいや・・・
私は、クラスでもいつも平均ぐらいだし
特に賢いってわけではなくて
「頭、よくないよ・・・。理科なんて、超苦手で」
