保健室に戻ると、待ちくたびれた顔の2人がいた。
「誠也・・・と、あと誰だっけ?」
「ひどいなぁ、友梨香ちゃん」
「ちょっと、大河。外出るわよ」
「なんでぇー?美仔ちゃんに呼ばれるのは嬉しいけど、なんでぇー?」
「いちいち聞くな。うざい」
美仔は大河とやらの腕を引っ張り、外に出た。
「なんで出てったのかな?」
「気使ってくれたんじゃね?」
「そっか」
それから、しばらく沈黙が続いた。

「俺、さ」
10分後、急に誠也が話し出した。
「さっきの、友梨香の過去。聞いちゃったんだよね」
「いたの?」
「いや、なんか気になっちゃって。こっそり聞いてた。ごめん」
「・・いいんだよ。いずれは話さなきゃって思ってたし」
「ごめん。まじで、盗み聞きとか情けねぇ」
「いいの、ホントに。別に誠也は情けなくないもん」