「ねぇねぇ、増丘さん。秋川君に告白されたってホントなの?」
「ちょっとーどういうことぉ?」
「説明してよっ」
「黒魔術か何か使ったの?」
「マジありえな~い」
休み時間。
あたしにすれば、悪夢の時間。
いや、夢じゃないな。現実だ。
こういう時、改めて女子の情報の速さに感心する・・・。
「っていうか、何みんな好きだったの?えーと、あー・・えー、冬川のこと」
あれ?冬だっけ。んー、どうも転入生の名前は覚えにくい。
「冬川じゃないし。秋川君だしぃ~」
「季節1つ超えてるしー」
あきかわ。・・あ!そうだ、秋川だ。
「そうそう、秋川のこと。好きだったんだ?」
すると。
「えぇ~?好きっていうかぁ」
「むしろ愛してる?(笑)」
「イケメンだから~」
「なんか気になるみたいな?」
なんじゃそりゃ。
「言っとくけど、あたしも恋愛感情で告白されたんじゃないから(たぶん)。いちいち文句言われる筋合いないし」
そうだよ、あたしが悪いわけじゃないんだ。
実際、なんであたしが告白されたのか自分でも分からないし。
告白の内容だって恋愛感情っぽくないし。
(たぶん)友達として、好きなんだろうし。
「ひっどぉ~い!!増丘さん怖ぁいぃ~」
「ひどくて結構コケコッコ!」

