保健室の前につくと、ちょうど莉緒が保健室のドアをあけていた。
「…莉緒」
「愛菜?」
小さく名前を呼ぶと、莉緒はちょっと驚いてた。
「雅也くんに聞いて、鞄持ってきた」
「あ…サンキュー」
そう言って、私から鞄をとろうとする莉緒。
「鞄、くれ」
「ダメ」
怪我人に、持たせるわけないじゃん。
「足、痛いんでしょ?私が鞄持つからさ。一緒に、帰ろう?」
それでも莉緒は
「いや、自分で持つから…」
と言って、また鞄をとろうとした。
男のプライドってやつかな?
「ダーメ。ほら、行くよ」
怪我人なんだから、少しは甘えてもいいのに…
なんて思いながら莉緒を無視して歩いた。


