「え…あき、栗原さんに乗り替え?」
私たちを見て目を丸くしながら近づいてきた湊。
『えー、ちゃうよ。まず、げん彼女おるし』
「ほんまそれな!あきと俺のカップルはないやろ~」
「なら安心っす。敵は1人で充分ですから」
敵?
『湊、敵って…?』
「あー、こっちの話♪てか栗原さん、敵じゃないなら離れてくださいよー」
話しかけられたげんを見上げる。
「…抱きついてんの秋華やし。まず俺、湊に秋華はあげやんから」
……げん?
顔は笑ってるけど、げんが私を“秋華”
って呼ぶときは真剣になにかを話すときしかない。
「えー、栗原さんは三城さんの味方っすか?」
「ん、俺は秋華の味方やから♪」
体育祭も始まってないのに、なにこれ。
げんがかっこよく見える。
体育祭マジック?(笑)

