───……
あー、暇。
秋華はなんか用事とか言っていて、
今まで待っていたけどなかなか帰ってこないから
先に帰るため駐輪場に足を運ぶ。
普段は夏葵さんが送ってくれるけど、
最近ちょっと忙しいらしい。
『…はぁ。んま重症じゃな』
思わず出た本音と、方言にはっとなり辺りを見渡す。
誰もいないのを確認し、ほっと胸を撫で下ろした。
秋華以外に聞かれたら恥ずかしいしな。
『にしても、今日は暑い…』
もうとっくに6時半を回っていたにもかかわらず、
額には汗が光っている。
ふと、空を見上げると暗くなり始めていた。
秋華、まだ学校か…
そんなことを思いながら上を見ていたら、
普段人のいない南館に人影が見えた。

