『だからそれまで、まっちょって?』


『ぜったいだよ!』




『ぼくのたからもの、もってて。しゅーかちゃんだって印じゃけぇね』




男の子の小さな手のひらには
薔薇の花がついたおもちゃの指輪。


『うん。しゅか、毎日つけとく』



そんな女の子に男の子は微笑み
車で待つ母の元へ駆けていった。