少し俯いていると、
「……ま、すぐ思い出させてやるよ」
少し寂しそうな顔をした三城くんに、
頬を優しくすうっと撫でられた。
わ…なんか懐かしい、かんじ。
そのとき、ふと思い出した。
『…ハル、ちゃん……?』
…そうやん。
私、『ハルちゃん』って呼んでた。
ハルちゃんの引っ越しの日、指輪もらって泣いてた。
ずっと、ずっと好きやった。
「秋華…?」
目を丸くし、驚きを隠せていないハルちゃん。
その顔は私が悪戯をしたとき、いつも目を丸くして
驚いていたハルちゃんと変わってへんくて。
忘れてた自分への腹立たしさと、
ハルちゃんに再会できた喜びから、自然と涙が出た。

