『あの庭園のなかにおった、男の子…?』


そう、あの子と同じ喋り方。


「庭園におった男の子って……秋華、俺のこと覚えちょらんの?」


さっきまで標準語やったのに、
方言になってる三城くんの声には焦りさえかんじる。



『この指輪もらったんは覚えてるけど、名前とか忘れてる。…ごめん』


私がそう言うと

「…まぁ、14年になるし忘れてて当たり前だよな」

冷静を取り戻したのか、標準語で冷たく話す三城くん。



…なんか、悲しい。