『もう、14年経ちますしね。陽大が引っ越してから私、自分で記憶消してたみたいで…』
ははっと苦笑いをしてみせる。
「…じいちゃんたち、思い出話中悪いんじゃけど。部屋入ってもええ?」
陽大が少し不機嫌そうに私を抱き寄せる。
『わ、陽大?///』
「そうやな、悪かった。じゃあしゅうちゃん、ゆっくりしていきや。中にはばあちゃんもおるからな。」
はーい、と返事をして陽大と部屋に入る。
『っわぁ…シンプル!』
陽大らしく本棚、クローゼット、
ベッド、コンポ、それ以外はなにもない。
「……シンプルで悪かったな。」

