「──…陽大ぼっちゃま、彼女ですか?」


いきなり聞こえた声に驚き辺りを見渡す。



庭園に咲いている菊の手入れをしているおじいさんと、
その補助をしているアラフォーぐらいの人の
2人、人がいたことに気がつく。




「おん、彼女じゃ」


「左様でございますか。それはおめでとうございます。」


それは補助をしている人からの声だった。



私、この人知ってる…かも。

もう1人の老人は、陽大のおじいちゃんだったはず。


「じいちゃん、ただいま」


あ、やっぱり。

おじいちゃんだった。


「なんの連絡もなしに、いきなり知らん女連れ込んでくるとは…ええ度胸やなぁ。」


ひっ。

おじいちゃん、こんな怖い人やったっけ!?


『…あ、あの!』


私が口を開くと、みんなに注目された。


あ、思い出した!

あの人、家政婦の百合子さんや。