抱き締められて
目が覚めた




「これなに?」

気付いたら
口が動いていた


ユウは
明らかに動揺して
目が泳いでいた


「あー
これは何でもない
気のせい気のせい」





必死で考えた結果
ユウは
嘘とも言えない位の
嘘を言って
手紙をすぐに破り捨てて
何もなかったかのように



私を抱き締めた



私は全て分かって
それでも最後には
私の所に戻ってきてくれたら
それでいいと
思ってしまった

それ位に
ユウを愛してた




ユウが本当に好きなのは
私だけなんだ
今は遊びたいだけなんだ
だから
こんな事を言ったんだと



あの頃の私は
自分を騙して
抱き締めた彼の手を
受け入れてしまった