「そうでしょ?」
優しく笑ってたはずのカラス君の顔が、意地悪そうに笑う。
「俺のことが、大好きだもんね」
さらりとそんなことを言ってのけて、カラス君は爽やかに立ち上がった。
硬直したままの私にキスをして、カラス君は服を着て、キッチンに消えてしまう。
「そんな意地悪なカラス君は知らない・・・・・」
私はベッドに突っ伏した。
カラス君の匂いが染み付いた、心地良いベッドに睡眠へと誘われそうになる。
「俺の事、もっと知りたくなったでしょ?」
顔を上げると、水を飲んでるカラス君。
不覚にも心臓が高鳴っている。
「黒猫さんはね、何だかんだ言って、俺に懐いてるんだよ」
ぽんぽんと私の頭を軽く撫でると、カラス君はまた意地悪く笑った。
自由、自由、と謳われる私も、カラス君には真っ直ぐに懐くらしい。
どこか、やられた感が残る。
それでも、巧みに私を手懐けるカラス君には、勝てそうになくなってきた。
今日、この頃。