□ □ □
「ねぇねぇ黒音さん!」
授業と授業の合間の放課、10分放課。
机に突っ伏していた顔を上げると、3人の女子。クラスメイト。
「ん?」
「篠加羅君と付き合ってるって本当?」
「ん、あぁ。」
いきなり顔を上げたものだから、教室が眩しい。
だけど、それ以上に女子は顔を輝かせた。
「キャー!本当だったんだ!!じゃあじゃあ、昼ごはんは二人で掃除しながら食べてるって・・・・・・・」
「んーあぁ。」
強ち間違ってない。掃除は気が向いた時にしかやってないけどね。
「篠加羅君って、普段どうやって過ごしてるの?全く掴めない人だから気になる!!」
「・・・・・・・・別に、普通・・・・・・・?」
クラスメイトの女の子達に、悪意は無い。
けど、どこかイラついてしまうのはカルシウム不足か、嫉妬か。
ただ、女子は人一倍色恋に首を突っ込みたがるんだ。
うるさいから、消えてもらおう。
「カラス君は甘いものを食べてる時にキスしたがるよ。甘党だからね」
ぴたりと教室の空気が止まった気がした。
丁度、授業5分前を示す予鈴が鳴る。
もう目の前には女子は居ないようだ。と言うか、教室にいる全員が顔を真っ赤にしている。
明日カラス君がからかわれそうだけど、まぁいいか。

