カラス君と黒猫さん2




新発売のミルクチョコレート。
お、中々美味しいんじゃ・・・・・・・・。



「・・・・・・・・・む、・・・・・・・・」


カラス君の唇が重なる。もしや。


半ば強引に捻じ込んできた舌は、私の口の中のチョコレートを奪い取ろうとする。


(新発売・・・!売り切れラストワンのチョコだったんだ!今度買ってきてあげるから!)


目を開けて、カラス君を睨む。
どうせ、こういうキスの時は目を閉じる人じゃない。


予想通り、カラス君はしっかり私を見て、色っぽく目を細めた。



(・・・・・・・楽しんでる・・・・・・・・・)


自分の中の何かが崩れ、カラス君に負けたくない一心で、溶けて小さくなったチョコを飲み込んだ。


「っ、あ・・・・・・・・・・・、」


それでも、口内を物色する舌はまだ絡んでいる。


カラス君は、ひとが甘いものを食べている時にキスを楽しみたい人なんだ。
はい、甘党な変態。



「・・・・・・・飲んじゃったね、」

「飲んじゃったよ!どうしてくれるの、新発売の限定チョコ!」

「今度買ってきてあげるよ、きっと」

「・・・・・・・・っ、・・・・・・・」


妖しく笑うカラス君は、時々危ないと思う。