カラス君と黒猫さん2




まぁでも、家に帰っても安全だし、母さんこまめに来るから寂しくないし、引越し代稼げたから、バイトをしなくてもそろそろいいかなーって思ってるけど。


〝LAURA〟だけは辞めれないね。お世話になってるし。


「カラス君はバイトしたこと無いのー?」

「あるよ。友達に懇願されて、カラオケのバイト。大変だった」

「カラオケって24時間の所が多いから勤務時間、他より長いよね」

「コンビニもそうだと思うけどなぁ・・・・・」



おにぎりを口に放り込んだ。

カラス君は既に2個目を食べ終わりそうだ。



「そう言えばさ、黒猫さんの新しいマンション、見てみたよ」

「本当?」

「うん。だって家に近いじゃん」

「感想よろしく!」

「黒猫さんらしいと思ったよ。でも、一瞬廃墟マンションかと思った」

「あのレトロの良さが分からないの?!」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」



私が引っ越したマンション。
出来るだけカラス君の家から近い所で、他のマンションとは少し違って、人目につきにくい所って不動産に聞いたら今居る所になったんだ。

裏路地で、ひっそりしてるおんぼろマンション。
家賃も良好。

取り合えず、私的には大満足。



「わ」

「黒猫さんの驚いた顔だー」

「・・・・・・・・・」


急に体が持ち上がって、気付けばカラス君の膝の上で向かい合わせに。


気にせず買ってきた小さいチョコを頬張った。