まぁでも、家に帰っても安全だし、母さんこまめに来るから寂しくないし、引越し代稼げたから、バイトをしなくてもそろそろいいかなーって思ってるけど。
〝LAURA〟だけは辞めれないね。お世話になってるし。
「カラス君はバイトしたこと無いのー?」
「あるよ。友達に懇願されて、カラオケのバイト。大変だった」
「カラオケって24時間の所が多いから勤務時間、他より長いよね」
「コンビニもそうだと思うけどなぁ・・・・・」
おにぎりを口に放り込んだ。
カラス君は既に2個目を食べ終わりそうだ。
「そう言えばさ、黒猫さんの新しいマンション、見てみたよ」
「本当?」
「うん。だって家に近いじゃん」
「感想よろしく!」
「黒猫さんらしいと思ったよ。でも、一瞬廃墟マンションかと思った」
「あのレトロの良さが分からないの?!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
私が引っ越したマンション。
出来るだけカラス君の家から近い所で、他のマンションとは少し違って、人目につきにくい所って不動産に聞いたら今居る所になったんだ。
裏路地で、ひっそりしてるおんぼろマンション。
家賃も良好。
取り合えず、私的には大満足。
「わ」
「黒猫さんの驚いた顔だー」
「・・・・・・・・・」
急に体が持ち上がって、気付けばカラス君の膝の上で向かい合わせに。
気にせず買ってきた小さいチョコを頬張った。

