カラス君と黒猫さん2




「どうしたの、黒猫さん」

「あったかいから」

「一緒に寝る?」

「私寝相ものすごい悪いよ?明日起きたらカラス君天国かも」

「・・・遠慮しとく・・・・・・」


発熱しているカラス君の体は、どんな電化製品より温かい。


「逆に俺は冷たくて気持ちいいよ」

「おっ!マイナスとマイナスが巡り合ってプラスになった!!」

「そうだね」


細い体に腕を回す。

私がくっ付いたまま、カラス君はベッドに寝転んだ。


「・・・・・・つらい?」

「大丈夫だって。これ位慣れてる」

「本当?」

「本当」


カラス君の体に密着すると、心臓の音が聞こえる。
リアルだなぁ、こう言うの。


「黒猫さん、」

「ん?」

「お兄さんとはどうなの?」


顔を上げると、いつもの“心配性”なカラス君の顔。


「当麻君?あぁ、あれ以来会ってないよ」


会う機会が無いんだ。

当麻君に顔を合わせ辛いのも事実だし、合わせたくないのも事実だし。


「そっか」


カラス君が珍しく私に頬擦りをした。