「どうしたの、黒猫さん」
「あったかいから」
「一緒に寝る?」
「私寝相ものすごい悪いよ?明日起きたらカラス君天国かも」
「・・・遠慮しとく・・・・・・」
発熱しているカラス君の体は、どんな電化製品より温かい。
「逆に俺は冷たくて気持ちいいよ」
「おっ!マイナスとマイナスが巡り合ってプラスになった!!」
「そうだね」
細い体に腕を回す。
私がくっ付いたまま、カラス君はベッドに寝転んだ。
「・・・・・・つらい?」
「大丈夫だって。これ位慣れてる」
「本当?」
「本当」
カラス君の体に密着すると、心臓の音が聞こえる。
リアルだなぁ、こう言うの。
「黒猫さん、」
「ん?」
「お兄さんとはどうなの?」
顔を上げると、いつもの“心配性”なカラス君の顔。
「当麻君?あぁ、あれ以来会ってないよ」
会う機会が無いんだ。
当麻君に顔を合わせ辛いのも事実だし、合わせたくないのも事実だし。
「そっか」
カラス君が珍しく私に頬擦りをした。

