カラス君と黒猫さん2




「分かった。作ってくる。味は何がいい?」

「・・・・・・卵がいい」

「カラス君子供みたいー」

「黒猫さんも熱出した時、卵粥がいいって言ってたくせに」

「えっ?!そうだったの?!」


振り返ると、意地悪そうに笑うカラス君の姿。

熱出した時そんな事言ってたのか、私・・・。


くっくと笑うカラス君を放っておいて、台所に行く。


久し振りに立つなぁ、台所。
一人暮らし始めてすぐは結構料理作ってたけど、最近レトルトばっかだ。

面倒臭い時は兄さんに頼んでたっけ。


「・・・・・・・、」


ふと、いきなり当麻君の事が気になった。

根性腐ってても、血を半分分けた兄弟だ。


(顔出そうかなぁ・・・・・・)


今は大学にいるのかなぁ。
彼女できてるといいのに。
母さんと上手くやってるかなぁ。


そこで、はっと我に返った。

やべ、手止まってた。


(まあいいや、今度暇があったら会いに行こう)


カラス君にご飯作るのって、新鮮。