「分かった。作ってくる。味は何がいい?」
「・・・・・・卵がいい」
「カラス君子供みたいー」
「黒猫さんも熱出した時、卵粥がいいって言ってたくせに」
「えっ?!そうだったの?!」
振り返ると、意地悪そうに笑うカラス君の姿。
熱出した時そんな事言ってたのか、私・・・。
くっくと笑うカラス君を放っておいて、台所に行く。
久し振りに立つなぁ、台所。
一人暮らし始めてすぐは結構料理作ってたけど、最近レトルトばっかだ。
面倒臭い時は兄さんに頼んでたっけ。
「・・・・・・・、」
ふと、いきなり当麻君の事が気になった。
根性腐ってても、血を半分分けた兄弟だ。
(顔出そうかなぁ・・・・・・)
今は大学にいるのかなぁ。
彼女できてるといいのに。
母さんと上手くやってるかなぁ。
そこで、はっと我に返った。
やべ、手止まってた。
(まあいいや、今度暇があったら会いに行こう)
カラス君にご飯作るのって、新鮮。

