カラス君と黒猫さん2




「いいわよねー学生は。色恋なんかできてさぁ」

「母さんだっていいひと居るんでしょ」

「やっぱりパパに敵う人なんて居ないわっ」


ぽ、と頬を赤らめる母さん。
あぁ、元気だなぁこの人は。


「カラス君のお父さんかっこいいよ。再婚どう?」

「そうしたらあんた達兄弟ね。結婚はできない事になるわ」

「やっぱり今の話ナシで!」

「そう来ると思った」


母さんが笑う。
今、何歳だっけこのひと。

あ、でも聞いたら怒られるか。


「ま、あんたが元気ならそれでいいわ。また今度カラス君とお話させてよ。そんじゃ」

「あぁ、母さんも体に気を付けてね」


母さんが急いだようにレジに向かう。

そして、急に足が止まったと思うと、こちらを振り返った。


「あんまりカラス君に世話掛けるんじゃないわよ」

「・・・・・・・・・・・・分かってるよ」


それだけ言うと、母さんは中年独特のいやらしい目をして、去って行った。


「カラス君が世話焼きなだけですー」


若干文句を言いながら、私は調味料コーナーに足を運んだ。


今日はお粥にしようかな。