カラス君と黒猫さん2




「黒猫さん」


目を開けると、頬が薄っすら赤らんでるカラス君の顔。えろい。


「今日バイト、無いの?」

「・・・休んだよ」

「それなら良かった」


優しく笑うカラス君を見ると、普段と何ら変わりない。
表に出さないひとだから、難しい。



「つらい?」

「ん?」

「カラス君は、あんまり自分の事を話さないもん、分からない」

「そうかなぁ。別にそれ程辛くないよ。熱出て、気だるいくらい。」


そう言って、熱い手で頭を撫でられる。
これじゃあ、どっちが看病してるのか分かったもんじゃないや。


「もう寝た方がいいよ。おやすみ」

「うん、ありがとう」


私が居るとカラス君は何だか世話焼きになるような気がする。
お母さんか、って突っ込みたいけどそこは我慢で。


素直に寝始めるカラス君が、かわいい。
いつもと違う感じに、何かどきどきする。


うん。幸せな時間だ。


このままだと一緒に寝てしまいそうなので、私はカラス君から離れた。