カラス君と黒猫さん2




体温計を見て、思わず固まった。

「・・・・・・・さんじゅうはちてんきゅう?」

「38,9。」


笑顔で体温計を返してくるカラス君。
を、ベッドに押し付けた。


「微熱かと思ってたのにー!何で起きてんだー!!」

「うわっ!俺病人!!」

「寝とけ!余計病状悪化するわ!」


いきなりベッドに押し付けられたカラス君が困ったように苦笑した。


「大丈夫だって、いつものことだよ」

「・・・大熱出しといてよくそんなこと言えるね」

「俺元々体弱いから。熱くらい慣れてるよ」


熱い手のひらが、私の頬を挟む。
ぐい、と引き寄せられて。


「キスしていい?」


カラス君の綺麗な顔が間近にあるもんだから、つい固まってしまう。
そして、返事も聞かずにカラス君は唇を重ねた。


熱い、と実感する。


こんなに起きててこんな事して大丈夫なのかなぁ。


(でもやめたくないわたしって)


最近、バイトばっかりでカラス君に会ってないや。
カラス君が熱出てる状態でも、この甘い時間を楽しんでたい。


我儘すぎる、かな。