カラス君と黒猫さん2




あまりに急だったから、目を閉じるのを忘れてしまう。

そして、侵入してきた熱い舌を感じて、はっと我に返った。


「っ、・・・・・・」

カラス君の体の横に手を付く。
少し口を離してくれた隙に、顔を上げた。


「からす、君・・・・・・・・・・・、」

「びっくりしたでしょ」

「したよ、いきなりだったもん」


目の下には、意地悪そうに笑うカラス君の顔。こんな顔見たこと無いや。


「熱測ろう?」

「あぁ、熱、ね」

さっきからずっと言ってたのに何を聞いていたんだろう。時々不思議な所がある。

カラス君が体を起こした。



「うー・・・・・・頭がくらくらする」

「熱出してるからね」


私から体温計を受け取ると、カラス君は大人しく測り始めた。


「ごめんね、本当は今日学校なのに」

「いいよ、サボれてラッキーだよ」

「それならいいけど」


優しく笑う、カラス君。
だけど随分辛そうな顔してる。


「うわ、眼球動かせない」

「眼球?何で?」

「俺熱出るとあんまり目が回せなくなるんだよね」

「そんな症状あるんだ」


そこで、体温計が鳴った。