うっすらと、カラス君の目が開く。
熱い息が吐き出された。


「カラス君?大丈夫?」


カラス君の熱い頬を触ってみる。
元々冷たい手だから冷たかったのか、カラス君は私の手に摺り寄ってきた。


「・・・・・・くろねこさん・・・、ここ・・・・・・」

「私の部屋だよ。ごめんね、カラス君の家の鍵は流石に開けられないから」
結構勝手に開けてるけどね。


現在、私の家。
つい最近引越したばかりの部屋だ。まだ家具が揃ってない。


「雅に運んでもらったの。カラス君、雅に抱っこされてたんだよ」


そう言うと、カラス君が若干嫌そうな顔をしたのは気のせいだとは思う。


「・・・・・・・・・・ごめんね・・・・・・・、」


汗が滲む顔で、カラス君は笑った。
何に対しての“ごめん”なのかが分からない。


「私もこの前お世話になったじゃん。お互い様。今日は寝たら?」


シャツのボタンが開いて、カラス君の汗ばんだ胸元が見える。あぁ、色っぽい。


「うん、そうするよ・・・・・・・・」


そう言うと、カラス君は目を閉じてしまった。


記憶を漁ってみれば、確かカラス君、体が弱いとか言ってたような。
思えば私、そんなにカラス君の事知らないや。カラス君は妙に隠し上手だから。


時計を見ると、まだ昼の時間。
横を見ると、私専用の小さいベッドで寝ているカラス君。


この季節、ひとりだと寒い。

私の家に連れ込んだのは、もう一つ理由がある。



勿論、一緒に寝るため、暖を取るため。

早速私はカラス君の横に潜り込んだ。