数十分後。
色黒で、金髪な坊主はやってきた。


「あぁ?保健室・・・・はここか。おーい黒猫ー」

「あ、雅。ここここー。遅いよ」


そう言ったら、単細胞の雅は不機嫌な顔をする。


「折角来てやったのに、何だよその態度ー」

「ごめん。・・・じゃあお願い、雅くん!」

「キモいわ」

「雅が言ったくせに」


雅をベッドまで誘導する。

蹲って寝ているカラス君を見て、雅は眉を寄せた。


「え、何、カラス熱出したの」

「電話で言ったじゃん!先生役に立たないし、授業中だから男手も無いし!」

「・・・・んー、そんでえ?俺はなにすればいい訳?」


気だるそうに欠伸をして、頭を掻くその姿は艶かしくて恐ろしい。
顔の一文字傷が妙に目立った。


「雅ならカラス君運べるよね」

「は?」

「マッチョな雅は細いカラス君位余裕だよね」

「え、え?黒猫?!」

「早く連れて行きたいから、運んで。」


雅は私を二度見した。


「俺にコイツ抱っこしろってか?」

「うん」


満面の笑みで笑ってやった。