「美味しかった」
「うん、黒猫さんて安いよね」
「どういう意味さ」
「20円で満足できる女子高生もそうそう居ないと思うよ」
「そう?」
カーテンから射して来る日の光で、カラス君の体のラインが温かそうに見える。
あ、猫背。
「カラス君てカラス君なのに猫背だよね」
「・・・・・・・・・・だめ?」
「カラスなのにー」
カラス君は急に姿勢を真っ直ぐにし始めた。
「・・・・・・やっぱ無理。いい姿勢って疲れるんだよなぁ」
「私も猫背だしね」
「将来腰が曲がったお婆さんになるんじゃない?」
「じゃあカラス君は腰が曲がったお爺さんだ」
何となく、想像してしまった。
カラス君の老後。
今でも和やかだからなぁ・・・・・・・・・・・・・・。
そう変わらないのかも。
「ん」
「黒猫さんは今のままで居てね」
突然、ぎゅっと抱き締められる。
「どう言う事?」
「そう言うこと。」
見上げると、少し笑ってるカラス君の顔。
癒される。

