カラス君と黒猫さん2




「美味しかった」

「うん、黒猫さんて安いよね」

「どういう意味さ」

「20円で満足できる女子高生もそうそう居ないと思うよ」

「そう?」



カーテンから射して来る日の光で、カラス君の体のラインが温かそうに見える。
あ、猫背。


「カラス君てカラス君なのに猫背だよね」

「・・・・・・・・・・だめ?」

「カラスなのにー」


カラス君は急に姿勢を真っ直ぐにし始めた。


「・・・・・・やっぱ無理。いい姿勢って疲れるんだよなぁ」

「私も猫背だしね」

「将来腰が曲がったお婆さんになるんじゃない?」

「じゃあカラス君は腰が曲がったお爺さんだ」


何となく、想像してしまった。
カラス君の老後。


今でも和やかだからなぁ・・・・・・・・・・・・・・。
そう変わらないのかも。


「ん」

「黒猫さんは今のままで居てね」


突然、ぎゅっと抱き締められる。


「どう言う事?」

「そう言うこと。」


見上げると、少し笑ってるカラス君の顔。
癒される。