ニューロティック・宴(エン)

わたしはいっそ、
目の前に居るソレに
噛まれてしまえ、
と思った。


肉を懸命に
むさぼっている
ソレに近付き、
手を触れようとした
瞬間、


『てめぇ、
何やってやがる!』


トイレから戻った
ソレのお父さんに
殴られ、
リビングの端まで
転がった。


床に転がった
わたしにソレが、
ゆっくりと
近づいてくる。


わたしは
恐怖心と
解放感が
一緒になった
不思議な感覚に
とらわれた。


これで
何もかも
終わりになる…?
楽になる…?


でもその想いは
叶わなかった。