「おい郁!テメェ今何時だと思ってんだよ!!」
「郁、僕三十分も待ってたんだけど。一言位謝って」
大きな声を上げる大鷲さんと白鳥さん。
郁さんは少しも悪びれた様子もなく、笑っていた。
「んー、二人とも後三十分遅く起きたらいいんじゃない?」
「てめっ」
すかさず大鷲さんが立ち上がる。
整った、真面目そうな顔立ちの大鷲 司(おおわし つかさ)さん。やっぱり偽名。
元刑事さんで、スーツの似合う格好いい人なのに
「郁……テメェ毎日毎日それじゃねえか。ふざけんなよ俺腹減ってんだよ!」
「そんな大きい声出してたらそりゃお腹も空くよ」
「んだとコラァ!!」
……ものすごく、怒りっぽい。
いや、今のは郁さんも悪かったと思うけど……。
「司さん、落ち着いて」
「ああ!?テメェ、郁の肩持つのか紅子!……!?」
「司さんお腹空かせてるかなって思って、ちょっと焼いてみたんです」
