「ほんとですか!」
「うん、目瞑って?」
私は言われた通り目を瞑る。
……ん?
なんでお年玉を貰うのに、目を瞑るんだろう。
「あの、郁さ」
「はーいイチャイチャタイムはそこまでですよー」
突然の声に顔を上げれば、ドアを開けたままニコニコしている 夜啼さんの姿。
「朝ごはん冷めちゃいますよ。早くいらっしゃい」
「あ、はいっ!」
「えー」
そうだ、朝ごはん!
すっかり郁さんのペースに巻き込まれていた。
いけないいけない。
「郁さん、私先に行ってます!すぐ来て下さいね!」
今日の朝ごはんの当番は夜啼さん。
夜啼さんのご飯、美味しいから楽しみにしてたんだ。
夜啼さんの横をすり抜けて、居間に急ぐ。
「"お年玉"、何しようとしたんです?」
「あ、そこから見てたの?」
「ええ勿論。貴方そのうち未成年淫猥で捕まりますよ」
「大丈夫、それはないから」
「全く……」
