「もー、ちゃんと起きましょうよ!」
「えー。俺の至福の時間なのにぃ」
真っ白い、大きなベッドの上。
郁さんの腕で完全拘束、なう。
……最初の頃は正直、何かされるんじゃないかって構えていたけれど。
他愛ない話をしたり、髪を撫でられたり
どちらかが二度寝してしまったり
二人揃って二度寝したり、それだけ。
郁さん、27歳。私、17歳。
二人の年齢差、丁度十歳。
……郁さんから見たら、私なんて色気のないただの子供なんだろうなあ。
そう思うと、少し切ない。
「どうした?」
「へ?」
「寂しそうな顔、してる」
頬っぺたを、きゅっと摘ままれる。
ほら、子供扱い。
「……お年玉、欲しいです」
「お年玉?」
「はい。お年玉です」
私が呟くと、郁さんはケラケラと声を出して笑った。
「な、な、何ですか!」
「そっか、絢香もまだまだお子様だねえ。うん、お年玉あげるよ」
