大鷲さんは、黒いスーツに……左手にロザリオを持って。
夜啼さんはライフルの入ったバックに、ロングスカートの中に拳銃を隠して。
パンツスーツの花鶏さんは、小刀を片手に表情を引き締め。
郁さんは、汚れ一つ無い、白いロングコートで。
……四人は、制圧に向かう。
「行ってらっしゃい……」
「行ってきます」
郁さんが笑い、夜啼さんが手を振ってくれた。
「ねえ」
「はい?あむっ」
呼ばれた方を見れば、口にサンドイッチが詰め込まれる。
「腹、減ってんでしょ」
「……でもこれって、花鶏さんが白鳥さんに作った、」
「藍が居たらこうするから」
彼はそれだけ言うと、ソファーに座り新聞を読み始める。
……花鶏さんのサンドイッチは、とっても美味しかった。
――数時間後、反政府組織"アンダーセイバー"一斉逮捕のニュースがテレビを賑わせる。
彼らは大規模な爆破テロを予告して居たが、それが実行される事も、実行されなかった理由も、明かされる事はない。
――私達秘密警察は、表沙汰になってはいけない六人だから。
