そうこうしてる中
ピロピロ と可愛い音が、リビングに届く。
――さっきまでの賑やかさは、夢。
この音は、現実への入り口。
「……チッ、仕事だ」
音を発したパソコンに向かい、大鷲さんが舌打ちする。
背後から夜啼さんがそれを覗き込み、くすりと笑った。
「都内××にて反政府組織の物と思われる声明文多数……ふぅん、××なら遠方射撃が可能でしょう」
「修理頼まれてたライフル直ってるよ。持ってく?」
「えぇ」
「司、パソコンパス。……あぁこりゃ"アンダーセイバー"の連中だ。懲りないねぇー」
夜啼さんはスナイパー
郁さんはエンジニア・そしてハッカーの顔。
「紅子、38口径も持て、俺の援護だ」
「仰せのままに」
「花鶏、お前も出ろ。白兵戦だ」
「御意」
指揮を取る大鷲さんの表情は、もう"刑事"そのもの。
