あーまじ腹立つ。原田って奴、きにくわねえー。


愛菜も愛菜だ。あんな奴にいちいち笑顔むけんなよ…


変にむしゃくしゃしている俺は、自分を落ち着かせるために壁に凭れ掛かった。



「莉緒!」



空耳で愛菜の声が聞こえるなんて、結構重症だな…。


と、突然愛菜が目の前に現れた。




「愛菜…なんで?」



「莉緒怒ってる…?」




はあ…。そんな顔されたら、なんか自分が馬鹿馬鹿しくなってきた。


原田はかなり、いや超うざくてイラつくけど。


さっきまであったモヤモヤ感が自然と消えていた。




「怒ってねーよ」



「良かった」


そんな俺を見て安心したのか、笑顔になる愛菜。


ああ、俺こいつのこの笑顔が好きなんだ…。