ジュリエットの涙.



教室のドアを開けたとき、

オレンジ色の光が教室の窓から差し込んでいた。

その光に照らされているクラスのみんなは

あたしとは正反対なイキイキとした顔をしていた。


きっと。ここならきっと。
本当のあたしを見つけられるはず。




教壇の後ろにあたしが立つと
先生が『 こちらが新しい君たちの仲間になる 棗 美羽さんだ 』と
紹介した。

『東山中学校から来ました。棗 美羽です。よろしくお願いします。』

………



…はぁ、またか。

この空気。慣れてるからいいけど。

と、思ったとき…


『いぇーい!』

『よろしくー!』


などと、声をあげて拍手をしてくれるみんながいた。




ううん。

慣れてるなんてほんとは嘘。

不安で怖くて逃げたい感情を
押し殺して強がっただけ。


嬉しかった。受け入れてくれるみんながいて。

あたしは深くお辞儀をして

廊下側の1番まえの席に案内された。



となりの女の子が『よろしくねっ?』と声をかけてくれた。

あたしはできる限りの笑顔で答えたつもりなのに

その女の子は
『めっちゃ緊張してるんだね』って

まるであたしがこんな顔してたよって言うかのように
とっても引きつったような顔をしてあたしに言った。


「あ、うん。ごめんね…」




なんで…笑えないのかな。