__________また朝が来た。
窓から、憎らしいくらいに自信を持って
光を放つ太陽が顔を覗かしていた。
眩しくて思わず布団のなかに
顔を埋める。
だけど、起きなきゃ。
今日は あたしの新しい学校に初めて登校する日。
どうせまた同じ。
と、思う反面 変化を期待してしまう。
棗 美羽 (ナツメ ミウ)
15歳
あたしは、中3になると同時に
新しい学校へ転校する。
今日がその日。
転校の理由は
人間関係にある。
俗にいう "いじめ"。
中1まで、なんとなく楽しんで
部活もはいって
そこそこ充実してた生活を送っていた。
中2でクラスが変わったとき
つるむ友達も変わった。
それから、あたしの生活、人柄が大きく変わった。
どんどん闇に包まれた。
自分の意志とは反対のことをして
自分が見えなくなって
どこかに自分という存在が消えた。
あたしは7人グループの1人で、勘違いで起こったあたしへの嫌がらせも
解決しては、また繰り返していた。
日に日にヒートアップしていく嫌がらせに
あたしは耐え切れなくなった。
だから、感情なんかなくなればいいと
あたしの中から感情を消した。
公園でリンチされたときも
上履きに画鋲が入っていたときも
悪口が書いてある紙がいっぱい下駄箱に入っていたときも。
帰っては大泣きして
部屋を荒らして
ママの愛情さえ、切り捨てた。
食べ物を受け付けなくなって
痩せこけたとき、
あたしはボロボロだった。
声も出なけりゃ、笑うことさえできない。
ただずっとぼーっとしてるだけ。
そんなとき支えてくれたのが家族だった。
ボロボロなあたしを修復させようと
両親はいろんなところに連れて行ってくれた。
少しずつ回復してきて
話すことはできるようになったものの
やっぱり食べ物だけは受け付けなくて
無理やり押し込んでも、全部戻していた。
だけど、このままぢゃあたしの人生どころか
両親まで失望させてしまうと思ったあたしは
転校する手段を選んだ。
"南ルチア中学校”
新しいスタートの場所。
同じことを繰り返しませんよーに。
自分に変化がありますよーに。
