彼女の 足首に

蝶の刺青


彼女を 抱いたら

深い 哀しみが

胸に 響いてきた


死んでしまった恋人を

忘れられずに


彼女は 足首に鮮やかな跡を つけた


もう 二度と 誰も愛さないと 誓うように


彼女は 蒼い蝶のように

僕に舞い降りて


また 空に 帰ってゆく


瞳を 覗きこむと


笑いながら


平気だと 強いからと言った


華奢な 肩を抱くと


折れそうなのに


決して 誰にも 凭れることなく


彼女は 彼と 生きている


死ぬ その時まで ずっと



- fin-