周りは馬鹿の一つ覚えみたいに勉強の話ばかりしてて、私とミサキは息が詰まる思いだった。


せっかく大学生になったんだよ?

大学生にしかできないことしてはっちゃけたいじゃん!?

たとえば、恋とか……。

なーんて、私は全くそっち方面には興味ないんだけど、ミサキは恋したい恋したいって口癖のように言ってたな。

「でも、この大学はハズレ。いい人いない」

学内を見渡したミサキの一言。

ミサキには、甘えん坊というメイン属性に似合わず、毒舌、小悪魔、というオプション設定があるのもたしかなのだ。

幼い時からの付き合いだから分かる。


ミサキは大学生活の傍(かたわ)ら、出会いを求めてバイトをするようになった。

しかーし! それじゃあ物足りないのが大学生。

サークルも入っとくべきでしょ!

時間は捨てるほどあるんだから。


というわけで、所属サークルを決めるまでの間、私とミサキは、車の免許を取りに行くことにした。

ちょうど大学に近い車校(自動車学校)があるし、そこと大学をつなぐシャトルバスも大学前から出てるし。