オレンジと黄色を足してにじませたような西日が、窓から差し込む。
夏休み限定で、ミサキは朝から夕方まで繁華街のアイスクリームショップでバイトをしている。
今日、そのバイトの帰り道で、大通りにあるラブホテルに仲よさげに入っていくあっちゃんとユナちゃんを見かけたそうだ。
窓越しに聞こえるカラスの鳴き声が、私の中に芽生えた戸惑いと重なる。
「……ミサキのこと疑うわけじゃないけど、見間違いってことはない?」
「あっちゃんのこと、見間違うわけないよ」
「だよね……」
あっちゃんとは、夏休みが始まってから昨日まで、毎日会ってたもんね……。
でも、信じられないよ。
ユナちゃんには彼氏がいるっていうこと、あっちゃんもよく知っているはず。
『そこはケジメ!
絶対、ユナには手ェ出さない。話聞くだけ』
ユナちゃんのことを話すあっちゃんは、たしかにそう言っていたのに。
まさか、そこまでいくなんて……。


