私たちの気持ちは単純で、ささいなことで喜んだり怒ったり、落ち込んだり励まされたりする。
季節がかもしだす雰囲気に影響されて、しんみりしたり浮かれたりもして。
夏って楽しい気分になるし、冬にはおっくうに感じることも「やってやろうじゃん!」って思うし、多少イヤなことがあっても、カラッと笑い飛ばせる。
だからこそ、私たちも楽しい夏休みを満喫できるもんだとばかり思ってた。
あっちゃんが私とミサキのことを大事な友達って口に出してくれたことが嬉しくて、実はけっこう感動したんだ。
「いまなら何でもやってあげる!」って、見知らぬ人を助けちゃいたくなるくらいにさ。
それはミサキも同じなんだと、私は勝手に思い込んでた……。
「あっちゃんのこと、みそこなった!
もう、あんな人友達じゃない!」
「えっ!? ミサキっ……!?」
……プールであっちゃんの心の内を聞いてから二週間後。
ミサキはあっちゃんに絶交宣言したその足で、私の家に訪ねてきた。


