「……ノラ、このまま放っておいたら本当に動かなくなるよ?」 蓮の真剣な言葉に、下唇を噛み締め更に強く膝を抱えた。 「……いいよ別に」 「よくないよ」 私の言葉に被せる様に、蓮が真っ直ぐに私を見て言い放つ。 明は少し困った様な顔をして髪を乾かしていた手を止めると、ドライヤーのスイッチを切った。 蓮の視線に自分の弱さを咎められている様な気がして、目を逸らしグッと拳を握り締めた。