「蓮もこっち来いよ。片付けは後でやろうぜ」
その俺の呼び掛けに蓮は小さく肩を竦めて見せると、それからこちらに向かって歩いてきた。
そして蓮はノラの横にそっと寝転ぶと、そのまま窓の外を眺める。
「……月、綺麗だね」
その蓮の呟きに皆の視線が、空へと向けられた。
キラキラと光る星達の中で、淡い月がユラユラと揺れている。
そんな幻想的にも見える空を三人と猫一匹で見上げたまま、暫く沈黙が続いた。
……きっと今、俺達は、皆同じ事を考えている。
それは今までの事や、そして……これからの事。
向き合わなくてはならない沢山のモノを考えながら、ただ静かに空を見上げ続ける。



