「まだ練習中なだけだもん。そのうち上手くなる予定なんだから」
「……はいはい。楽しみに待ってますよ」
そう言って笑って見せると、ノラは困った様に笑って《みてろよ》と小さく呟いた。
「でもノラは野菜切るの上手いよね。ノラの野菜サラダ、美味しいもん」
そう蓮がフォローを入れたつもりだったらしいが、ノラは片眉を吊り上げて少し鋭い視線を蓮に向けた。
「それって……褒めてるの?」
「もちろん」
満面の笑みを返す蓮のその答えに、ノラははぁっと深い溜息を吐いて……それから笑った。
それはまるで太陽の様に眩しくて、その彼女の笑みにつられて、俺と蓮も笑顔になる。



